霜と紅葉~二十四節気『霜降(そうこう)』~
2021年10月23日から二十四節気の一つ『霜降(そうこう)』の時期に入りました。
霜が降りる頃。太陽の黄経は(黄道の一点と春分点とがつくる角度)は210度です。
本日は、この時期に目を向けたい“霜”と“紅葉”について深めてみたいと思います。
■二十四節気“霜降”の期間に相当する七十二候(二十四節気のそれぞれを初候・次候・末候に分けたもの。気象の推移や動植物の変化を表している)
[初候 10月23日~27日頃]
霜始降
しもはじめてふる
(霜が降りはじめる)
買了射乃祭獸
さい すなわち けものをまつる
(オオカミが獲物を並べて食べる)
[次候 10月28日~11月1日頃]
霎時施
こさめ ときどきふる
(小雨がしとしとと降る)
草木黄落
そうもく こうらくす
(草木の葉が黄色く枯れて落ちはじめる)
[末候 11月2日~11月6日頃]
楓葛黄
もみじつた きばむ
(モミジやツタが黄葉する)
蟄虫俯
ちっちゅうことごとく ふす
(虫がみな土中に隠れて動かなくなる)
『暦便覧(江戸時代に発刊された暦を解説する書籍)』には次のように掲載されています。
「つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆへ也」
“時雨が降った後に雨の露と陰気が結びつき、霜が降りて霜柱となる”という意味です。
(画像元:Wikipedia)
霜は大気中の水蒸気が結晶してできます。一方、霜柱は地中の水分が凍って小さな氷の列柱になったものです。霜の降りる時期は、概ねその土地の、紅葉の時期から桜の咲く頃までと重なるようです。
紅葉は、上代には“モミチ”と清音で発音しており、“黄葉”と書いたそうです。平安時代以降に“紅葉”と書くことが多くなったのだとか。
紅葉のなかでも古くから愛でられてきたのは楓です。楓の木自体を「もみじ」と呼ぶ場合も少なくありません。日本には数多くの種類の楓があり、その数は世界で最も多いのだそうです。
また、山野に紅葉をたずねて鑑賞することを「紅葉狩り」と言い、万葉集の中でも詠まれています。「狩り」は、もともと獣や野鳥などを捕まえることを指しますが、やがてキノコや果物の採集にも使われるようになりました。
そして、草花を眺める場合にも「狩り」が使われるようになりました。かつて「紅葉狩り」は室町時代以降の宮廷や貴族の優雅な遊びでした。一般の人々が紅葉を楽しむようになったのは、戦国時代が終わり、世の中が平和になり、民衆の生活にも余裕が生まれてきた江戸時代の中頃からだったそうです。
これから多くの地域で紅葉が見頃を迎えていきます。
[参考:紅葉見頃情報 https://tenki.jp/lite/kouyou/]
ぜひこの時期を楽しみたいものですね♪
最後までお目通し頂き、有難うございます。
ユウキアユミワールドアカデミー
クォンタムヴォイスアカデミー
校長 由結あゆ美