二十四節気“寒露(かんろ)”…雁と蟋蟀(キリギリス)の声
2021年10月8日から二十四節気“寒露”に入りました。草木に宿る露が冷たく感じられる頃です。太陽の黄経は195度。
今回はこの時期の風物詩である動物や虫の鳴き声に注目し、深めてみたいと思います。
■二十四節気“寒露”の期間に相当する七十二候(二十四節気のそれぞれを初候・次候・末候に分けたもの。気象の推移や動植物の変化を表している)
[初候 10月8日~12日頃]
鴻雁来(こうがんきたる):ガンが北から渡ってくる
鴻雁来賓(こうがんらいひんす):ガンが飛来してきて、湖沼がにぎわう
[次候 10月13日~17日頃]
菊花開(きくのはなひらく):菊の花が咲き始める
雀入大水為蛤(すずめ たいすいにはいり こはまぐり となる):スズメが海に入ってハマグリとなる
[末候 10月18日~22日頃]
蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり):キリギリスが戸口で鳴く
菊有黄華(きくに こうかあり):菊が咲きはじめ、黄色の花も見られる
■俳句や和歌に歌われる“雁(がん)”
秋に北方から渡ってくる雁は、特にその鳴き声が古くから人々の心を慰め、歌や句にも読まれてきました。
「秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、からすの寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入りはてて、風の音、虫のねなど、はたいふべきにあらず。 」
(秋は夕暮れがよい。夕日がさして、山の端に近くなっているところに、からすがねぐらに帰ろうとして、3羽4羽、2羽3羽と急いで飛んでいく様子さえも、しみじみとした趣きがある。ましてや、雁などが列をつくって連なっているのがとても小さく見えるのは、たいへん趣き深い。日がすっかり沈んでしまってから聞こえてくる、風の音や虫の声などもまた、あらためて言うまでもないことである。)
(出典:「枕草子」 tenki.jp https://tenki.jp/)
(画像元:Wikipedia)
昔の人が雁の声に聴き入ったのは、雁が常世(とこよ)の国から死者の魂を運んでくると信じていたからだとも言われています。
古典では、雁をはじめ動物の姿や鳴き声が、何らかの感情を湧き起こすものとして使われることがあります。
■虫の声の聴こえ方~日本人と欧米人の違い~
ラフカディオ・ハーンの随筆「虫の楽師(角川文庫『日本の面影』)」には虫売りの起こりが書かれています。
江戸で虫を毎年売るようになったのは、18世紀末のことなのだとか。明治30年代の東京での虫の値段が書かれていますが、一番安いのは鈴虫で三銭五厘から四銭、値が張るのは蟋蟀の十二銭から十五銭だったそうです(明治30年は、コーヒー1杯が二銭の時代)。
日本人がことのほか虫の声を楽しんでいたことが伺えます。
また、虫の声は“日本人の耳に音楽のように響く”のに対し、“欧米人には騒々しい雑音に聞こえる”とも言われています。
「たとえばクーラーの音、楽器の音、コオロギの声…などと調べてみますと、西洋人の例では、とにかくことば以外のものは、みんな同じレベルなのです、一様に。ところが日本人ですと、クーラーや楽器の音については西洋人と同じですが、そのほかに鳥や動物の声、虫の声などがまざっていれば、それらははるかに高いレベルを示します。ことばに近いわけですよ。日本人が自然の音に対して如何に敏感か…こんな観点からも証明されると思います。」(出典:『日本人の脳』角田忠信著)
私たちの潜在能力を開くヒントが“その人の発する声”と“聴く力”にあります。
詳しくは、その人“本来の声”を引き出す『クォンタムヴォイストレーニング』でもお伝えしておりますが、受講者の方から「本当の声を出せるようになってきた」とのお声を頂いており、嬉しく思っております。
ちなみに、当アカデミーの体験セミナーやClubhouse声診断ルームでも使用している『声診断ソフト Quantum Voice』で虫の声(スズムシ、コオロギ、マツムシ、クサヒバリ、カネタタキ、キリギリス、カンタン…など)を分析したところ、その多くに、
「マゼンダピンク(癒し・無償の愛)」
「バイオレット(繊細な感性・瞑想)」
「ネイビーブルー(直観力・鎮める力)」
の色が出ていました。また、カンタン(邯鄲)は特徴的で、ゴールド(信念・自分の軸を持って生きる)が出ています。
最後までお付き合い頂き、有難うございます。
二十四節気“寒露”の風情を感じながら、動物や虫の声にも耳を傾け、日本人が持つ潜在能力をますます開花させていきたいものですね。
ユウキアユミワールドアカデミー
クォンタムヴォイスアカデミー
校長 由結あゆ美