“立冬”暦の上では冬が始まりました。
2021年11月7日から「立冬」に入りました。
二十四節気の一つ。暦の上で冬がはじまる日。太陽の黄経(黄道の一点と春分点とがつくる角度)は225 度。秋分(昼夜の長さがほぼ等しい) と冬至(昼間の時間がもっとも短い)の中間にあたります。
そこで、本日は、この時期に食べておきたい食材と七十二候(二十四節気のそれぞれを初候・次項・末項に分けたもの。一候はおおむね5日間。気候の推移や動植物の変化を表している)について触れていきたいと思います。
■ 冬に活発に動く臓器は“腎臓”
画像元:https://www.higashimaru.co.jp/recipe/udonsoup/udon0735.html
寒さが増してきて、鍋物が食べたくなる時期に入りましたね。この時期は、寒くなり乾燥してくるため、体は温かさを欲します。根菜類など体を温める食材が多く出回る時期でもあります。また、温かい食べ物を調理するときの湯気もいいですね。乾燥しているときに、湯気が部屋に吸収され、部屋が暖まる速度が速くなります。また、部屋だけでなく、体も毛穴から湯気を吸収していきます。
五行論によると、冬に活発に働く臓器は「腎臓」です。
五行論とは、この世界の様々な事項を木・火・土・金・水という5つの要素に還元するという、古くから伝わる東洋的な自然の捉え方です。
五行の考え方の基本の一つに「相生」があります。“木が燃えて火となり、できた灰が土になる。土の中から鉱物が生まれ、鉱物に水が結露し、水が木を育てる”…5つの属性が互いに助け合うように順に影響を与えていくことを表します。季節や体の臓器(五臓)もそれぞれ五行に対応しており、旬の食材を取り入れることで、次の季節に過ごしやすい体を作る準備をすることができます。
「腎臓」が活発に働く冬。補腎作用のある食材の代表格が“しょうが”です。例えば、「生姜スープ」や「しょうが湯」。生の生姜を基本にした生姜スープは腎臓に補腎作用があります。ただし、甘すぎる生姜スープは栄養失調の多かった古い時代のレシピなのだとか。砂糖は体を冷やしますし、自然界には濃縮された糖分は存在しないので処理システムが確立されていないため、摂りすぎには注意が必要です。しょうがを意識的に使うことで、腎臓が調子よく働きやすい状態にし、次の季節に備えていきましょう。
■二十四節気“立冬”の期間に相当する七十二候
[初候 11月7日~11日頃]
山茶始開(つばき はじめてひらく):サザンカの花が咲きはじめる
水始氷(みず はじめてこおる):水が凍りはじめる
[次候 11月12日~16日頃]
地始凍(ち はじめてこおる):大地が凍りはじめる
地始凍(ち はじめてこおる):大地が凍りはじめる
[末候 11月17日~21日頃]
金盞香(きんせんか さく):スイセンの花が咲き始める
野雞入水為蜃(すずめ たいすいにはいり おおはまぐり となる):キジが海に入ってオオハマグリとなる)
■「ツバキ」と「サザンカ」の違い
なお、この時期の七十二候には、「ツバキ」と「サザンカ」という言葉がありますが、よく似た特徴を持っていますね。
見分け方は…
「ツバキは花が丸ごと落ちるが、サザンカは花弁が散る」
「ツバキは花弁の根元は完全には開かないが、サザンカは完全に開く」
「ツバキのおしべは根元でくっついているが、サザンカは根元から分かれている」
「ツバキの実や葉柄には毛がないが、サザンカには毛がある」
と言われています。とはいえ、数多い園芸品種の中には花弁の散るツバキもありますし、花弁が付け根からかなり開く品種もあります。中でも、「寒椿」はツバキとサザンカの交雑種という説もあるのだとか。
寒さに耐えうるようにけなげに咲くツバキ。ツバキ全般の花言葉は、「控えめな優しさ」「誇り」。海外ではその美しさから、“日本のバラ”とも呼ばれているそうです。
また、サザンカ全般の花言葉は「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」。寒さが強まる季節にかけて花を咲かせることにちなんでいると言われています。
季節の食材や自然界の動植物を意識しながら、改めて周囲を見渡してみましょう。新たな気づきが得られるかもしれません。冬の訪れをじっくりと味わいたいものですね。
ユウキアユミワールドアカデミー
クォンタムヴォイスアカデミー
校長 由結あゆ美