二十四節気“冬至(とうじ)”の時期の年中行事
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今年も残すところあと僅か!~二十四節気“冬至(とうじ)”の時期の年中行事~
2021年12月22日は冬至日。二十四節気では冬至の時期に入りました。
昼間の時間が最も短くなります。太陽の黄経(黄道の一点と春分点とがつくる角度)は 270度。
この日、北極圏では太陽が現れず、南極圏では太陽が沈みません。「冬至から畳の目ほど日が延びる」などと言い、昼間の時間は冬至を境に少しずつ長くなります。
画像元:「POLEAWARDS」
“陰が去り陽に復する”の意で、冬至を「一陽来復」とも言います。旧暦では冬至を暦の起点とし、冬至が含まれる月を11月と定めたため、「一陽来復」は旧暦 11月の異称でもあります。
「一陽来復」では、陽の気が生じはじめるため、この日を境にして運が向く、どんどん運が良くなっていく、と考えられています。
本日は、“運気が入れ替わり好転する節目”とも言われる『冬至の時期に行う風習』ともに、『この時期の年中行事』、さらに『七十二候(二十四節気のそれぞれを初候・次項・末項に分けたもの。一候はおおむね5日間。気候の推移や動植物の変化を表している)』についてご紹介します。
「冬至」の時期に行うと運気を良くすると言われる風習
[南瓜(かぼちゃ)を食べる]
この日に南瓜を食べると中風(ちゅうふう/ちゅうぶう)にかからない、柚子湯に入ると風邪をひかないなどとする言い伝えが各地にあります。
本来、南瓜の旬は夏ですが保存がきくため、遅蒔きにして冬至のころに食し、冬の野菜不足を解消したとも言われています。ほかに、こんにゃくを食べる地方もあります。
画像元:『SALUTE KITCHEN』
[“ん”がつく食べものを食べる]
“運盛り”とも言われ、“ん”がつく食べものを食べることにより、さらに運気を上げることができるのだとか。
※冬至の七種…南瓜(なんきん=かぼちゃ)、蓮根(れんこん)、人参(にんじん)、銀杏(ぎんなん)、金柑(きんかん)、寒天(かんてん)、饂飩(うどん)。 この7種は、ただ縁起が良いだけでなく、寒いこの季節に適した栄養を十分に含んでいると言われています。
画像元:『JAグループ 国消国産』
[“冬至粥”を食べる]
小豆を入れて炊いた粥のことを冬至粥と言います。小豆には邪気を祓う効果があると考えられており、これを冬至という節目に、厄落としとして食べ、無病息災を祈ります。
画像元:『HATTORI Diner』
[“ゆず湯”に入る]
冬至の日に、ゆず湯に入ると風邪をひかないのだとか。柚子の香りに邪気を祓う効果があると考えられていたため、このような風習が生まれたようです。
また、「ゆず」と「融通」、「冬至」と「湯治」とをかけて「冬至にゆず湯」の風習ができたとも言われています。
画像元:『ウェザーニュース』
「冬至」の時期の年中行事
日本以外の北半球の国々でも、冬至を太陽の新生の日として祝い、春を呼ぶ種々の儀式を行うところがあります。キリスト教のクリスマスも、冬至祭が行事の原形と言われています。
[クリスマス]
イエス=キリストの降誕を祝う祭り。「降誕祭」「聖誕祭」とも言われます。前夜祭がクリスマスイブです。
西暦はキリスト誕生の年を元年としますが、実際にキリストが生まれたのは紀元前4年頃とされ、また誕生の日も12月25日とは確定していません。
太陽の新生を祝う“冬至祭”と融合し、4世紀頃にキリストの降誕祭として成立したと見られています。
欧米では、常緑樹である樅(もみ)の木を飾ってクリスマスツリーとし、ツリーの下にプレゼントを置きます。
家族でミサに参加し、ローストターキーやクリスマスプディング、ミンスパイ(フルーツやスパイスを入れたデザートパイ)やブッシュドノエルなど、各国や地域で特徴のある食事やデザートで祝います。
日本ではキリスト教の信仰とは関係なく普及し、ケーキや鶏のローストを食べ、プレゼント交換をするなどの風習が定着しています。
画像元:『abox』
[大晦日(おおみそか)]
一年の最後の日。
各月の末日「晦日(みそか)」に対して言います。年越し蕎麦を食べ、除夜の鐘を聞く風習があります。年越し蕎麦は、細く長い蕎麦にあやかって寿命や家運をのばそうとの願いが込められた縁起料理。また、蕎麦は切れやすいことから、一年の苦労や厄災をさっぱり切り捨てる意味があるとする説など、諸説あります。
除夜の鐘は、午前0時を中心に百八煩悩(人間がとらわれるあらゆる煩悩)を取り除く意味をこめて108回つき鳴らします。
古く大晦日には、正月の神を迎えるために物忌みをし、または社寺に参籠するなどして、終夜起きている風習があったと言われます。寝ると皺が増える、白髪になるなどの言い伝えもあります。現在除夜の鐘を聞くまで起きている習慣は、こうした風習の名残と見られます。
二十四節気“冬至”の期間に相当する七十二候
[初候 12月22日~26日頃]
乃東生
かこそう しょうず
(ウツボグサが芽を出しはじめる)
蚯蚓結
きゅういんむすぶ
(ミミズが地中で固まりとなる)
鸐島不鳴
[次候 12月27日~31日頃]
麋角解
さわしかのつの おつる
(オオジカが角を落とす)
麋角解
びかくげす
(オオジカが角を落とす)
画像元:『ウィキペディア』
[末候 1月1日~4日頃]
雪下出麦
ゆきわたりて むぎのびる
(雪の下で麦が芽を出しはじめる)
水泉動
すいせん うごく
(凍りついた泉が動きはじめる)
冬至日はとりわけ古くから伝わる風習を行うと、運気を上げることができるとも言われています。
ご先祖様や祖父母から伝わった知恵や手法の数々を、周囲の方々や未来を担うお子様たちとともに実践してみてはいかがでしょうか。
ユウキアユミワールドアカデミー
クォンタムヴォイスアカデミー
校長 由結あゆ美