いよいよ暦の上では秋!~残暑見舞いと手紙の書き方のマナー~
本日より「立秋」に入りました。二十四節気の一つで、暦の上で秋がはじまる日です。太陽の黄経(黄道の一点と春分点とがつくる角度)は135度。夏至(昼間の時間がもっとも長い)と秋分(昼夜の長さがほぼ等しい)との中間にあたります。
この日から立冬の前までが「秋」。とはいえ、まだまだ暑さが続きます。そこで、手紙の中でも「暦の上では秋とはいえ…」「残暑厳しき折から…」といった表現がよく使われます。
そして、季節の挨拶である“暑中見舞い(7月20日頃から、立秋の前日まで)”は立秋を境に、“残暑見舞い(立秋から、次の二十四節気“処暑”までに。または8月いっぱいまで)”に変わります。
現在はSNSの普及などで、直筆のお便りを書く機会も減っていると思いますが、こういったちょっとしたお便りを頂くと、その方のお顔が目に浮かび、とても嬉しいものです。
よく「出会いの量が信頼の量」と言われますが、この状況下でリアルでお会いすることが少ない今だからこそ、直筆を添えたお便りがより功を奏すこともあると思います。
日頃の無沙汰をお詫びしたり、お相手の無事を祈る言葉は、「あなたのことを気にかけていますよ」というメッセージ。その一言を重ねる度に、お相手との距離は縮まっていきます。
少々話題は変わりますが、折に触れてお出しするお礼状を出すタイミングは、“何かして頂いてから24時間以内、遅くとも3日以内”と言われます。なぜでしょうか。
「今日の一針、明日の十針」という諺があるように、すぐにお礼状を書けばスマートな文章で済んだものを、「お礼状を書こう、書こう」と思いながら、例えば何日も経過してしまうと、「御礼が遅れまして、申し訳ございません」といった言い訳がましい文章になってしまいます。これでは、お礼の気持ちが伝わりにくいばかりか、見る人が見たときに、「残念ながらその程度の人」という印象を与えてしまう場合があります。
忙しくご活躍の方程、毎日様々な案件をこなしています。ですから、何日も経過してのお礼状を目にすると、「一体いつのときのお礼かしら」と記憶をたどることになるでしょう。
私も、素晴らしい経営者の方々や先生方、お客様を会合にお招きしたときなど、古式ゆかしい手紙の作法に則った直筆の美しいお礼状が翌日または翌々日に手元に届き、驚いたことが何度もあります。「あれだけお忙しくしていらっしゃるのに、一体いつ筆を取られたのかしら」と、そのお心遣いと姿勢に感じ入ります。
また、会社のロゴや、家の紋章入りの「カード」に、美しく言葉を添えて、封筒に入れてお届けするなど、様々なスタイルがあります。これにも一定の作法があります。
目上の方にお礼状を送る場合は、直筆の手紙が基本。本来は、EメールやSNSのメッセージなどは略式中の略式と心得ましょう。
しかし、時間感覚が日に日に短くなっている現代社会。「(少しでも速く、想いや情報を届けたいから)メッセージでやり取りしましょう」と目上の方がおっしゃったら、それに合わせるのもマナー。
このときも、目上の方から先に御礼の言葉を頂くことのないよう、まず目下の者から御礼の気持ちを率先してお届けするように心がけたいものです。
手紙の作法(書札礼)については、まだまだお伝えしたいことがありますが、本日はこのあたりで筆をおきたいと思います。
最後までお読みくださり、有難うございます。
どうぞ素晴らしい秋の日をお過ごしくださいませ。
ユウキアユミワールドアカデミー
クォンタムヴォイスアカデミー
校長 由結あゆ美