二十四節気“大暑”と“夏土用”の過ごし方
7月23日から二十四節気『大暑』の時期に入りました。暑さがもっとも甚だしい時期。太陽の黄経は120度です。
本日は、心身を整えるために重要と言われているこの時期にぴったりの過ごし方をご紹介します。
Contents
“大暑”の時期の七十二候
[初項 7月23日~27日]
桐始結花
きり はじめてはなをむすぶ
(桐の実がなりはじめる)
腐草為蛍
ふそう ほたるとなる
(腐った草の下からホタルが現れる)
[次項 7月28日~8月1日]
土潤溽暑
つちうるおうて むしあつし
(土が湿り蒸し暑くなる)
土潤海暑
つちうるおいて あつし
(土が湿り蒸し暑くなる)
[末項 8月2日~6日]
大雨時行
たいう ときどきにふる
(時として大雨が降る)
大雨時行
たいう ときにゆく
(時として大雨が降る)
2022年の『夏土用』
今年の夏土用は7月20日~8月6日。2022年の土用の丑の日は7月23日です。
そもそも土用の丑の日は夏だけではなく、春・夏・秋・冬それぞれにあります。土用とは、“立春・立夏・立秋・立冬より前の約18日間”のことを指します。
夏の土用の丑の日に鰻を食べる理由
この時期は、1年の中でも重要な意味がこめられています。
土用は中国の古代哲学である陰陽五行説(このうちの「五行」=自然界は「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素で成り立っているというもの)においては、“土の作用”を表します。
鰻を食べる土用の丑の日として夏の土用が有名ですが、これは江戸時代の学者平賀源内が発案したものです。鰻を売るためだったと一般的には言われていますが、一説には陰極まった土の中に生息しているうなぎを食べることを考えたのだとも言われています。
夏の陽気過剰な時期に、体に陰気を取り込むことで、中の気を充実させるという説。夏真っ盛りの陽極の時期に陰の極みの鰻を食べることで内臓の避暑になると言われていました。
また、暗い水の中に生息する鰻が陰陽五行における“水(五行[木・火・土・金・水]の五行の中で、水=黒色を表す)”を表し、水が夏の火気を消す役目をするとも考えられます。
しかし、鰻をこの時期に食べようと言っていたのは、昔、栄養失調による病気が多かった時代です。現代では、過剰な食生活から抜け出す引き算の食事も大切になってきます。
特に現代の日本の生活環境では脾臓への負担は避けられません。
実際に、土用は陰陽五行においては脾臓の時期と位置付けられます。そこで、土用を脾臓の休養日にするとよいと言われます。食事のエネルギーを一時的に減らし、あえて消化器に休息を取らせてオーバーヒートした脾臓のエネルギーを抜く方法です。
夏の土用の過ごし方
季節の変わり目の直前に、少しセーブして次の季節の準備期間にあててみましょう
夏の土用は熱に体が破られる時期ですから、食事がハイカロリーになっていると体の中に発生する熱量が高くなり心臓が焦げ付きます。ガソリンにお砂糖入れたような感じで体が焦げ臭くなるそうです。
夏、心臓の時期に、例えば過食傾向が高まり炭水化物でその人が処理できる能力を超えてエネルギーをとっている場合、体から燻製のような肉をいぶしたような匂いや酸っぱい匂いがしてきます。でも食べ過ぎていると鼻が詰まるから、本人は匂わないのだとか。
脾臓の活動を助ける食べ物の代表はにんにくです。にんにくには消化促進する効果があります。土用の時期は食べることが疲れを招く「飲食労倦」の時期と言われます。夏の時期に精をつけようと思ったら、炭水化物を控えてスープ類中心の食事を心がけることもおすすめです。
陰陽五行説に話を戻しますと…
「土」は山や田畑、つまり大地・女性・母親のイメージ。
全てを包み込んで浄化し新たなものを生み出す作用があります。
季節の変わり目にこの土用があることで、次の季節への準備ができるのです。
例えば、季節に合った過ごし方や食べ物に気を配ることを始め、自分の日頃の言動や仕事のスケジュールなどを見直し、新たな計画を立てる時期でもあります。身の回りの整理整頓にも適しています。
私たちが日々行っているマナーや古式ゆかしい日本の礼儀作法もこの陰陽五行の考え方から来ているものが数多くあります。
もうすぐ暦の上では秋に突入します。
夏の土用は、心身をゆっくりと休ませ、部屋や仕事や人生の整理をして、次の季節を迎えましょう。
ユウキアユミワールドアカデミー
クォンタムヴォイスアカデミー
校長 由結あゆ美