二十四節気“大雪(たいせつ)”の時期の年中行事
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【2022年12月7日から二十四節気“大雪(たいせつ)”~来年の干支(えと)と、この時期の年中行事~】
■干支(えと)の意味とは?
年末が近づくとよく耳にする「干支(えと/かんし)」。年賀状を書く時期になると、「来年の干支は?」という話題が上がります。
今年の干支は「トラ」。来年の干支は「ウサギ」…というふうに動物のイメージが浮かびますね。
しかし、干支は「十干十二支(じっかんじゅうにし)」を略した言葉です。正確には、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を合わせたもの。
十干とは:五行説の木・火・土・金・水をそれぞれ陰と陽、兄(え)・弟(と)に分けて10種類で構成されています。
十二支とは:子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)の12種類の動物によって構成されている十二支。紀元前の中国で、暦や時間を表すために使われ始めたのが起源と言われています。
「十干」と「十二支」を組み合わせていくと、10と12の最小公倍数である60になります。つまり60で一巡りするのです。
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2022年12月7日から二十四節気の一つ「大雪」に入りました。寒気が増し、平地にも雪が降りはじめると言われる時期。太陽の黄経(黄道の一点と春分点とがつくる角度)は255 度。
本日は、この時期の年中行事と七十二候(二十四節気のそれぞれを初候・次項・末項に分けたもの。一候はおおむね5日間。気候の推移や動植物の変化を表している)について触れていきたいと思います。
■「大雪」の時期の年中行事
[事納め(旧暦8日)]
その年の農事を終わりにすること。「事」は祭事の意味です。農業を中心とした考え方によるもので、一年の農事に初めてとりかかる旧暦2月8日を「事始め」、旧暦12月8日を「事納め」とします。一方、正月を中心とする考え方では、一連の祭事のはじまりである旧暦 12月8日が「事始め」、旧暦2月8日が「事納め」となります。いずれも東日本での風習と言われています。
なお、関西では、正月を迎える準備をはじめる 12月13日を「正月事始め」とする地域が多いようです。
[煤払い(12月13日)]
新年を迎える準備として、年末に家の内外の大掃除をすること。ふだんは手の届かない天井や床下なども清めます。電気やガスの普及していない昔は、屋内で薪などを燃やしたため、煤などもたまりやすかったのだとか。「煤掃き」「煤納め」とも言われます。
江戸時代には、公家・武家ともに 12月13日に行うのが慣例であり、民間もそれにならっていたそうです。元来は、正月の神を迎えるために家の内外や神棚を清める神事でしたが、しだいに大掃除としての性格を強め、生活様式の変化もあって年末に移動してきている傾向にあります。
ただし、現在でも西日本では、「正月事始め」として12月13日を正月準備開始の日とするところが多いようです。
画像元:東京新聞.com
[歳暮(12月初旬~25日頃)]
お歳暮の「歳暮」とは、文字通り年の暮れでもあり、年末を表します。それに「お」がついて、一年の感謝をこめた年末の贈り物を意味するようになりました。かつては正月を迎える準備に必要なものを揃えることも多かったことから、12月 13 日の「正月事始め」(12月13日 「煤払い」の項参照)のころに贈る習慣がありました。現在は12月初旬から25日頃までに贈るのが一般的です。
贈る品物としては、他家に嫁いだ嫁が正月の歳神様に供える祝い肴(新巻鮭、ブリなど)を実家へ贈った習わしが残り、今日でも暮れの贈答品として「新巻鮭」がよく用いられるのだとか。また、戦前は米、野菜、魚、鏡餅、酒などの神棚にお供えするものを「お歳暮」としていたことが、現在の食料品中心のお歳暮につながっているようです。
[松迎え(12月13日)]
正月用の飾り松を山野からとってくること。
もともと12月13日に行われていましたが、現在では完成品が売られることも多く、年末近くに準備するようになっています。ただ、29日は9を「苦」になぞらえ、31 日は正月の神を迎えるのに失礼な一夜飾りであるとし、また 30 日は旧暦では大晦日にあたることもあり、31 日同様として、それぞれ飾るのを避けます。28日までに飾るのがよいとされます。
正月飾りとしては、「門松」「しめ縄」「鏡餅」が一般的。
「門松」は、松をつたって正月の神が降りてくると考えられたもの。松・竹・梅を用いることが多いのですが、他にも南天・椿など種々の植物が用いられます。
画像元:八雲迎賓館
「しめ縄」は、神の宿る神聖な場所を他と区切るためのしるしです。門口や神棚に飾るときは、太いほうを向かって右にして張ります。
画像元:日本の門松.com
しめ縄を簡略化したものが「輪飾り(輪じめ)」です。
「鏡餅」は神への供え物。大小2個の餅を重ね、裏白(うらじろ)の葉や 橙(だいだい)を添えることが多いようですが、地方によっては昆布や串柿、伊勢海老を用いるところもあるようです。
■二十四節気“大雪”の期間に相当する七十二候
[初候 12月7日~11日頃]
閉塞而成冬
へいそくして ふゆをなす
(天地の気がふさがって冬となる)
閉塞成冬
そらさむくふゆとなる
(天地の気がふさがって冬となる)
画像元:Lyricism art
鸐島不鳴
かつちょう なかず
(ヤマドリが鳴かなくなる)
[次候 12月12日~16日頃]
熊蟄穴
くま あなにこもる
(クマが穴にこもって冬眠をはじめる)
画像元:くまくま園の公式ホームページ
虎始交
とら はじめてつるむ
(トラが交尾をはじめる)
[末候 12月17日~21日頃]
鯨魚群
さけのうお むらがる
(サケが群がり川をさかのぼる)
茘挺出
れいていいずる
(オオニラが芽を出しはじめる)
画像元:FOODIE
僧侶のような普段落ちついている人でも、この月は多忙で走り回るようになるという意味から名付けられたと言われる「師走」。
しかし、特に「大雪」の時期の年中行事には“心を鎮め”“心を清らかにする”神事に由来するものや“ご先祖様や周囲への感謝の気持ち”を表すことのできるものが数多くあります。忙しい時期だからこそ、心をこめて行いたいものですね。
ユウキアユミワールドアカデミー
クォンタムヴォイスアカデミー
校長 由結あゆ美