【涅槃(ねはん)のお話】
皆さま、「美」プロトコール・マナー講師 由結あゆ美です。
今日は春の季語である“涅槃”のお話について書かせて頂きます。
仏教の開祖、ゴータマ・シッダルタは、故郷への長い旅の途中、北インドのクシナガラで80年の生涯を終えました。紀元前383年頃のことです。
死期を知ったゴータマは日本の沙羅の木の間に整えた床の上に、右脇を下に、足に足を重ねて静かに横たわりました。すると沙羅の気が感応して、季節でもないのに花をつけ、花びらが降り注いだそうです。
「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成しなさい」という最後の言葉を弟子たちに遺して息を引き取ると、大地が揺らぎ、雷鳴が轟く。人々は驚いて身の毛がよだち、まだ悟りを開いていない修行僧は「両腕を突き出して泣き、砕かれた岩のように打ち倒れ、のたうち廻り、ころがった」(岩波文庫『ブッダ最後の旅―大パリニッバーナ経』より)
太陰暦2月15日は釈迦入滅の日。寺ではその遺徳をしのぶ法要があります。
これが“涅槃会”です。
暦が変わってからは、一月遅れの3月15日に行なうところが多いようです。東大寺の大仏開眼の翌年、天平勝宝5(735)年に、日本で最初の涅槃会が東大寺二月堂で行なわれました。今も3月1日から14日まで二月堂で営まれるお水取りは、もともと涅槃会のための清めの儀式だったそうです。
最後までお目通し頂き、有難うございます。
また次回もお付き合い頂けましたら幸いです。
ユウキアユミワールドアカデミー
代表 由結あゆ美
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