二十四節気“寒露(かんろ)”と深まりゆく秋
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10月8日から寒露(かんろ)の時期に入っております。
草木に宿る露が冷たく感じられる頃。太陽の黄経は195度です。
寒露の入りは9月23日の秋分から数えると15日ほどで、徐々に夜の時間が長くなっていきます。秋の夜長が楽しみな時期でもあります。
紅葉(もみじ)
「もみじ」と「カエデ」…似ているけれど、どう違うの?
疑問に思った方もいらっしゃるのでは?
葉の形や色づき方が似ている上、すべてのもみじ・カエデがムクロジ科カエデ属に分類されていることから、仲間であることはなんとなく理解できますが、実は植物学上ではカエデともみじを区別する定義はなく、モミジ属は存在しないのだとか。
もみじという言葉は日本特有のもので、英語ではカエデ=maple、もみじ=Japanese mapleと訳されていて、同じカエデ属の植物なのだそうです。
紅葉のなかでも古くから愛でられてきたのは楓(カエデ)だと言われています。楓の木自体を「もみじ」と呼ぶところも少なくありません。日本には数多くの種類の楓があり、世界で最も多いのだそうです。そのため、紅葉の色合いも豊富です。紅葉の一番美しい国と言われるのも頷けます。
ですが、万葉集の時代には、「もみじ」 といえば黄葉をさすことが多かったのだそうです。紅葉がもてはやされるようになるのは都が京都に移ってから。この時代になると梅も白梅より紅梅が好まれたのだとか。 紅は当時の人々の心にことのほか麗しく映ったのでしょう。
添水(そうず)
竹筒に水を引き入れ、たまる水の重みで反転した竹筒が石などに当たって心良い音を立てる装置。
二尺ほどの竹筒の底の節を一つだけ残して打ち抜き、口は斜めに切り落とします。重心よりやや上に横穴をあけ、軸を通して支柱で支えると尻を地に着けて傾いて止まります。口の上に水を引き、少しずつ注ぎ込みます。
水がたまるにつれて重心は口の方へじりじりと移動し、やがて軸を越えると、それまで静止していた筒の尻がいきなり跳ね上がります。たちまち水は口から流れ去り、重心はもとに戻って尻を地面にしたたかに打ちつけます。この時、尻の当たるところに石を据えておけば、空の竹筒がかーんと鳴り響きます。
長く静止する時間。一瞬の動。
間髪容れぬ竹筒の音。そして再び訪れる静寂。
もともと添水(そうず)は田畑を荒らす鳥獣を驚かせ追い払うために田の脇などに仕掛ける鹿威し(ししおどし)の一種でした。それがいつの頃からか、粋を好む人の庭に取り入れられるようになったのだとか。
秋の一コマに相応しい風景がここにあります。
二十四節気“寒露(かんろ)”の時期の七十二候(二十四節気のそれぞれを初候・次候・末候に分けたもの。一候はおおむね5日間。気象の推移や動植物の変化を表している)
[初候 10月8日~12日]
鴻雁来
こうがんきたる
(ガンが北から渡ってくる)
鴻雁来賓
こうがんらいひんす
(ガンが飛来してきて、湖沼がにぎわう)
[次候 10月13日~17日]
菊花開
きくのはなひらく
(菊の花が咲きはじめる)
雀入大水為蛤
すずめたいすいにいりこはまぐりとなる
(スズメが海に入ってハマグリとなる)
[末候 10月19日~22日]
蟋蟀在戸
きりぎりすとにあり
(キリギリスが戸口で鳴く)
菊有黄華
くにこうかあり
(菊が咲きはじめ、 黄色の花も見られる)
最後までお目通し頂き、有難うございます。
日毎深まりゆく秋を楽しみましょう♪
ユウキアユミワールドアカデミー
クォンタムヴォイスアカデミー
校長 由結あゆ美