7月7日から二十四節気“小暑”~七夕と天の川~
Contents
二十四節気では暑さが本格的になる“小暑”に入りました。
太陽の黄経は105度です。
今回は、二十四節気“小暑”のそれぞれを初候・次候・末候に分けた“七十二候”とともに、七夕と天の川にまつわるエピソードをご紹介します。
“小暑”の時期の七十二候
[初項 7月7日~12日]
温風至
あつかぜいたる
(暖かい風が吹きはじめる)
温風至
うんぷう いたる
(暖かい風が吹きはじめる)
[次項 7月13日~17日]
蓮始開
はすはじめてひらく
(ハスの花が咲きはじめる)
蟋蟀居壁
しっしゅつ かべにおる
(キリギリスが壁際で鳴く)
[末項 7月18日~22日]
鷹乃学習
たかすなわちわざをならう
(タカの幼鳥が飛ぶことを覚える)
鷹乃学習
たかすなわちがくしゅうす
(タカの幼鳥が飛ぶことを覚える)
七夕にまつわるあれこれ
神話時代の日本には、選び出された一人の少女が、人里離れた海や川の岸に作り掛けた「棚」の中で「機(はた)」を織りながら、水上を渡って訪れる若い神を待つ風習がありました。この「棚」と「機(はた)」がたなばたの語源なのだそうです。
神話時代のこの民俗に、奈良時代になって、女子の技芸の上達を願った行事「乞功奠」への信仰が結びつきました。ただし、ここで特筆すべきは、地上の習わしであった「乞功奠」と中国から伝わったとされる牽牛星と織女星をめぐる神話が結合して、七夕が宇宙を舞台にした壮大な物語に昇華したことです。
画像元:富山市北商工会呉羽支所 https://www.shokoren-toyama.or.jp/~kureha/story/anekura.html
古代日本人が施した神話のアレンジ
日本の古代の人々は、中国の星の神話を受け入れる際、あるアレンジをしました。中国の神話では、天の川にかけ渡した鵲(かささぎ)の翼の橋を織女が渡って牽牛に会いに行くことになっています。しかし、当時の日本の結婚の形態は男性が女性の家を訪ねる「通い婚」でした。そこで、この実態に合わせて、牽牛のほうから織女を訪ねることにしたのだとか。いかにも編集能力に長けた日本人ならではのアイデアと言えるのではないでしょうか。
牽牛星と織女星について
牽牛星とは鷲座のα星アルタイルのこと。 彦星には犬飼星(いぬかいぼし)・男星(おぼし)などの別名があります。織女星は琴座のα星べガで、織り姫星とも言われます。
なお、 α星とは、一つの星座の中でもっとも明るい星のことを指します。以下、β・γ・・・ と続きますが、 北斗七星のように、 必ずしも明るさの順に命名されていない場合もあるそうです。
天の川とは?
宇宙は150億年前の巨大な熱い火の玉の大爆発、ビッグバンで始まったと言われています。その後、膨張を続けながら冷えてゆくにつれて、方々にガスが集まっていくつもの銀河を形作っています。太陽系のある銀河系はその一つです。
さて、天の川は地球上から見るこの銀河系宇宙の姿です。地球を含む太陽系は銀河の中心部から三万光年離れた位置にあります。その結果、天の川は銀河系の中心方向は濃く、逆に周縁方向は淡く見えます。地球から見ると、銀河系の中心は射手座の方向にあたります。
地上から発展し、宇宙を舞台にした壮大な伝説になった“七夕”。
私たちの意識は自由自在です。
果てしなく続く空、そしてその向こう側へと意識を広げてみませんか。
ユウキアユミワールドアカデミー
クォンタムヴォイスアカデミー
校長 由結あゆ美